Eブロック

●感想は好き勝手きままに。
●ただの寸感かもしれず。
●参加者に関する情報や、先入観は排除。

以上の趣旨で、勝手気ままに感想を書いていく、超個人的企画です。
では、Eブロック、いきまーす!


E-01  星
 この話、父親は出てきても母親は出てこないんですね。意図的な設定かもしれないけれど、何代にもわたって「人類」(?)が続いているのにも関わらず、新たな命を生み出す母親が出てこないというのが、滅びを予感させます。「?」の後や段落開始行の一字あけがないことなど、表記に関して細かい部分が気になりました。


E-02  遠い星の研究生
 ふむふむと読み進めているうちに、ラストでどんでん返し。なるほどこうきたか、と膝を打ちました。


E-03  真夜中の散歩
 長い物語の中の一ページのような話ですね。


E-04  こうして、星はおちた
 とてもドラマチックな展開で、最後までどうなるかのかとはらはらしながら読めました。オリトと王女との間の、秘められた思いが切ない。


E-05  いとしのメリラ
 語りのうまさが光る一編。じゃじゃ馬の妹にため息をつきつつ、思いっきり溺愛している兄の様子が微笑ましいです。なんだかんだ言って仲がいいんだよね、この兄妹。奥さんの包容力も素敵です。


E-06  レディ・ホログラムの歌声は
 雨の日の話だけど、西部劇のように乾いた、それでいてどことなく哀愁の漂う雰囲気が素敵です。粋なオチには大満足。


E-07  夜になったら会いに行こう
 太田さんはきっと、大沢さんの気持ちを知っていて日高君を巻き込んだのだろうな。


E-08  小天狗の森
 全体的にほのぼのとした雰囲気が漂う、温かい作品。翔陽の成長が楽しみです。でも雪とのどつき漫才はずっと続くんだろうな。


E-09  星の音見つけて
 初めは語りが少しおぼつかないな、と思っていましたが後半の音楽の描写が見事で、曲の情景が頭に浮かぶようでした。


E-10  フォーチュン・スター
 正直、いじめの話は読んでいて辛いです。前半のミズキのクールさと、アカネの前での取り乱し様とのギャップに戸惑いましたが、それだけ彼女にとってアカネとの絆は強くて、大事なものなんだろうなと思いました。


E-11  光の手
 少年は入院中(吸入器使用)。「ラジオボーイ」の名で、兄(元陸上部・足の手術予定があるが、経済的理由であきらめようと思っている)になったつもりで、投稿を続けている――という設定がなかなか飲み込めずに、「このコは兄? それとも弟?」と少し混乱してしまいました(頭の悪い読者で、申し訳ない)。何度か読み返して、状況が把握できるようになると、少年の健気さが伝わってきて、切なくなりました。


【お気に入り】
E-04  こうして、星はおちた
E-05  いとしのメリラ
E-06  レディ・ホログラムの歌声は
E-08  小天狗の森
E-09  星の音見つけて

 西部劇のような渋い雰囲気と、伏線の張り方やオチの上手さから、Eブロック賞は「E-06  レディ・ホログラムの歌声は」に決定!