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クリス・モーガン デヴィッド・R・エリス キム・ベイシンガー

アミューズソフトエンタテインメント 2005-08-26
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 ある日突然、見知らぬ男たちに家に押し入られ、どこかの屋根裏部屋に拉致監禁されたら、どうする? しかも、唯一の連絡手段である電話は犯人の一人にぶっ壊されてしまった――。
 普通だったら怯えて縮こまってしまうところを、この映画のヒロイン・ジェシカは違いました。生物学の教師である彼女は、自分の知識をフル活用して、電線同士をつないで信号を送り、誰かにつながるまであきらめなかったのです。しかーし、つながった相手は人助けなんてしそうにないナンパな青年で?!

 携帯電話という小道具が見事に生かされたサスペンスです。電話が切れてしまったら、ジェシカやその家族の命は消えてしまう。でも携帯電話だとバッテリー切れや圏外という問題があるので、見ている側は「電話が切れちゃう〜っ!」とやきもきしてしまうのです。
 で、つながった側のライアン青年ですが、初めはいたずらだろうと本気にしておらず(そりゃそうだ)、警察に端末を渡したらハイそれまでよと高をくくっていたのに、警察に頼れない事態が発生してしまい、やむなくジェシカの家族を守るために孤軍奮闘する羽目になるのですね。そのためには「おいおい」と突っ込みたくなるような無茶も一杯しでかすんですけど、冒頭でいい加減ぶりを見せつけられているせいか、次第に彼がいい人に見えてきて、手に汗を握りつつ「頑張れ!」と応援してしまうのです。
 ジェシカもまた、家族を守るために懸命に戦います。まさに、母は強し。
 オーディオコメンタリーで、監督が「ヒロインのキム・ベイシンガーの撮影は後半の日程だった」と語っているのを聞いてびっくり。相手がいない状態で、あんなに緊迫感のある演技をしていたのですか? 素晴らしい女優さんだなぁ。
 約1時間半という短さに驚かされるほど、密度の濃い、いいサスペンス映画でした。