I am Sam
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知的障害者の父親と、その幼い娘との心温まる物語です。全編を通して流れるビートルズの曲が、いい雰囲気をかもし出しています(ルーシー、リタの名前もビートルズの曲からとられたものだし)。
サムは娘のルーシーが大好き、ルーシーもパパが大好き。二人が仲良く遊んでいるさまはもう「ラブラブ」(※親子として、という意味で・笑)。でも、父親の知能と養育能力に問題があるとみなしたソーシャルワーカーによって、二人は引き離されてしまいます。
一見普通に見える家庭でも、家庭内暴力があったりするのが現実。それに比べれば、サムとルーシー親子はずっと幸せそうに見えるのですが……。ルーシーを取り戻すために、サムは敏腕弁護士のリタに依頼します。
弁護士仲間の手前、ボランティアで弁護を引き受けざるを得なくなったリタは、一見パーフェクト・レディに見えるのに、実はそうでないってところが面白い。夫との不仲、子供ともギクシャクしているし、電話では悪態つきまくり、秘書にも八つ当たりしちゃう。サムとの交流を通して次第に角が取れていくリタが、自分の感情を爆発させるシーンは、つい感情移入して涙ぐんでしまいました。
自分が相手を助けているように見えるけれど、実は自分が与える以上の物を相手からもらっている、というシチュエーションに弱いですね、私は(笑)。
ルーシー役のダコタ・ファニングちゃんがすごくいい! とっても可愛くて、でも子供とは思えないほど聡明で洞察力がある子なんですよー。この映画のあとでひっぱりだこになるのも分かります。
サムの友達の知的障害者たちや、サムの子育てを手伝ってくれる外出恐怖症の女性、里親のランディたちなど、この映画に出てくるのはいい人たちばかりです。裁判でサムを追い詰める検事も、悪者に見えてしまうけれど、彼は彼なりにサムたち親子のことを心配しているように思えるし。
私は小・中学校を通して、知的障害を持つ子と同じクラスになったことがあります。当時に比べれば、今はハンディキャップを持つ人たちに対する理解が深まっているように思うのですが、彼らにとってはまだまだ現実は厳しいのではないでしょうか?
ひょっとしたら、この映画はファンタジーなのかもしれません。できれば、現実がこの映画にもっと近づきますように。