[映画]リトル・ミス・サンシャイン

 愛すべきダメ人間たちの映画です。
 ちょっとぽっちゃり体型のメガネっ娘のオリーブが、「リトル・ミス・サンシャイン・コンテスト」(6〜7歳限定の美少女コンテスト)に出場することになり、6人の家族全員でおんぼろワゴンに乗り込んで、会場まで行くことになります。
 その家族が見事にダメ人間ばかり。
 お父さんは自分で開発した「自己啓発プログラム」を売り出そうと奔走しているけど、版元から色よい返事がもらえない。お母さんはニコチン中毒。お兄ちゃんは自分の殻に閉じこもっていて、誰とも一言も口をきこうとしない(意思疎通は筆談)。おじいちゃんはとことん問題児で、老人ホームから追い出されている。おじさん(お母さんの兄弟)はゲイで自殺未遂。見事なまでにばらばらな家族です。

 皆、勝者になれない敗者ばかりで、自分の無力さや世間の非常さに打ちのめされてばかりいます。旅もスムーズにはいかず、トラブル続き。それでも「何とかオリーブをコンテストに出場させる!」という一念のもと、家族が少しずつまとまりはじめます。

 やっとたどり着いたコンテスト会場でもひと悶着起きますが……。もう、おじいちゃんが最後の最後まで「やらかして」くれます! クライマックスでは「おじいちゃん〜!!! も〜っ!!!」と叫んで、大爆笑してしまいました。

 ぽっちゃりちゃんだけど、素直で明るく無邪気なオリーブの存在が唯一の救い。彼女がいなかったら、本当にこの家族はどうなっていたことやら。

 ばらばらだった家族に笑顔をもたらした彼女こそ、彼らにとっての太陽です!